久しぶりの投稿です。『モモちゃんとアカネちゃん』今度小学校1年生になる娘への読み聞かせ
お久しぶりです!Toko(トーコ)です。
娘のミルは既に6歳6ヶ月になりまして、小学校入学を控えています。
さて、今日は私が幼少期に愛読していて、この度ミルに読み聞かせをした児童書『モモちゃんとアカネちゃん』をご紹介します。
以下、ネタバレあります。
松谷みよ子作 菊池貞雄絵『モモちゃんとアカネちゃん』講談社
モモちゃん&アカネちゃんシリーズの第3作にあたる物語。お姉ちゃんのモモちゃんが、ちょうど小学校に上がる時期のお話なので、今のミルにピッタリでした。
松谷みよ子さんの文章は、さすがです。加えて挿絵も素敵だし、お人形を写真で撮ったページ(表紙も)も趣向が凝らされていて素敵なんです。
赤ちゃんのアカネちゃんには、タッタちゃんとタアタちゃんというお友達がいます。なんと靴下の双子なんです。アカネちゃんととっても仲良しで、2人(1足?)がパタパタと走ってくる様子がなんとも愛らしいです。
アカネちゃんはこの本の中で、1歳のお誕生日を迎えます。「アカネちゃんのおたんじょう日」というお話は、私が小さい時、特にお気に入りでした。お姉ちゃんのモモちゃんが、アカネちゃんにおもちゃのカタカタ車を買ってあげるために貯金をするのですが、いざ買おうとするとお金が足りないのです。がっかりしているモモちゃんのところに、おいしいものの好きなくまさんから、お誕生日のお祝いにおかゆを食べにいらっしゃいと招待状が届きます・・・というお話。私も4つ下に妹がいて、修学旅行の際に、お小遣いで妹にお土産を買っていくのを楽しみにしていたので、自分と重ね合わせてしまいます。心温まるイチオシのお話です。
お姉ちゃんのモモちゃんは、この本の中で小学1年生になります。『ちいさいモモちゃん』で赤ちゃんのモモちゃんのお話を読んでいた読者にとっては、成長に驚くやら眩しく感じるやら。入学式のお話も収録されているので、新1年生になられるお子さんへの読み聞かせにおすすめですよ♩
そして、このシリーズが児童書として異色な点は、両親の離婚が描かれているということです(そんな書評を読んだ記憶があります)。今回大人の視線で読んでみて、婉曲的でありながら、離婚について深く描いているんだなと実感しました。「もっか けんかちゅう」では、パパとママが喧嘩中の不穏な空気感を、子供同士の喧嘩エピソードと交えながら印象的に描いており(「目下」という言葉を、この話で覚えたような気がします)、「森のおばあさん」の中では、価値観もしくはライフスタイルのすれ違い故に苦しむ男女について、「育つ木」と「歩く木」という設定を用いて象徴的に描き、「おわかれ」では、両親の離婚に伴って地元の知り合いとお別れするモモちゃんの悲哀が、爽やか&物悲しく描かれます。ママ、モモちゃん、アカネちゃんが引っ越しのトラックに乗って立ち去った後、パパが家から出てきて、通りに落ちていたアカネちゃんのマリをじっと見つめる場面を読むと、キュッと胸が痛くなります・・・。
それでは今日はここまでです。読んでくださって、ありがとうございました!