フードバンクを知る絵本『きょうはおかねがないひ』

こんにちは!Toko(トーコ)です。

今日は『きょうはおかねがないひ』(原題:It's A No Money Day、ケイト・ミルナー作、こでらあつこ訳、合同出版)を紹介します。(以下、ネタバレあります)

節約界でノーマネーデイと言えば、お金を使わずに1日過ごすことですが、この絵本は貧困家庭の親子がフードバンクを利用することをテーマにしています。

語り手の女の子とママは二人暮らし。「いつかきっとごっこ」をして、お金ができたら何をするか、二人で色々空想します。図書館の本を読んだり歌を歌ったり、お金がかからない遊びもします。

でもご飯は、お金がないと買えません。そこで二人はフードバンクへ行くのです。親切な人たちの寄付によって賄われているフードバンクのおかげで、親子はご飯を食べることができました。

巻末には世界や日本の貧困家庭やフードバンクについての解説もあり、フードバンクを知らない人への導入として最適です。

女の子の目線から描かれているので、絵本のトーンはあくまで明るいのですが、ママの視点からお話を眺めると、娘になけなしのパンをあげて自分は食べるのを我慢していたり、フードバンクへ行く時に申し訳なさそうな表情をしていたりと、貧困の苦労や悲哀が滲み出ています。

空腹を満たせることの有り難さや、貧困家庭の実情、お互いに支え合って成り立つ社会について、子供と一緒に知り、考えるきっかけになる絵本だと思いました。

同じ作者のシリーズで『なんみんってよばないで』という絵本があるので、それも読んでみたいと思っています。

社会問題を考えるきっかけ作りになる絵本のご紹介でした。

今日はここまでです。

読んでくださってありがとうございました!